2013年4月20日土曜日

Business Marketing Academy のコンサル体験

こんにちは。Class of 2014N.K.です。

今回は、私が所属するBusiness Marketing Academy (BMA) のコンサルティングプロジェクトについて投稿させていただきたいと思います。

総括:
1月下旬にKick-off4月上旬に最終プレゼン報告を行ったので、約3ヶ月近くこのプロジェクトに取り組んでいたことになります。(もちろん単位ももらえます。) 非常に内容が濃く時間と労力が求められるプロジェクトでしたが、実際にアメリカのFortune500企業を相手にコンサルティングができ、ソフト面・ハード面ともにMBAならではの実践的な経験を得ることが出来たと思います。


背景:

1月初旬にAcademyの教授から、クライアント企業とプロジェクト案件の発表がありました。今年はEli Lilly, Du Pont, General Electric, Ecolab, Carlisle, Direct Supply6社が協賛し、各社から9つのプロジェクトが提示されました。
各プロジェクトともに、背景と課題が説明され、私は総合化学メーカーDu Pont社のプロジェクトに立候補しました。立候補者の中から、教授によってチームメイトが選ばれ、私のグループは、私とアメリカ人1名、インド人4名、という6名の構成になりました。 もともとBMAにはインド人学生が多く所属しているので、このアンバランスさは仕方ないですが、チームキャプテンを決める段階で既にインド人同士で揉めています。結局は投票で決めたのですが、落選したインド人の女の子が既にものすごく不満そうで、この先チーム内で揉め事が起きないか少し心配です。。


課題認識:

DuPont Performance Polymers (DPP) は、Du Pont社が持つ13つの戦略ビジネスユニットの1つで、エンジリアリングポリマーやナイロンといった高性能合成繊維を製造・販売しています。DPPが取り扱う製品だけでも1000種類を超え、カバーする市場セグメントは自動車、エレクトロニクス、ヘルスケア、など多岐に渡っています。現在DPPは、Large Account向けの直販とSmall Middle Business向けのディストリビューターの2つの主な販売経路を活用しており、クライアントからの要望は『北米市場において、DuPont高性能ナイロンの売上拡大のために、適切な販売チャネルの選択と販売促進活動・ツールを提案して欲しい』というものでした。


最終報告までのプロセス:

1月末にDu Pontの北米地区Marketing ManagerChannel ManagerKelleyに招待し、Kick-off Meetingを行いました。クライアントからプロジェクトの概要が説明され、我々も不明点をQ&Aにて確認し、プロジェクトの骨子を掴みます。以後、毎週金曜日にクライアントと電話会議を行い、進捗を報告していきます。
初回の報告では、Projectを進めるにあたり、Letter of Engagement (クライアントの期待値、フォーカスする/しないポイント、タイムライン、などクライアントとの合意文章)を作成。その後、DuPontや彼らのディストリビューターのSales DirectorSegment Leaderなど様々なファンクションの方と電話会議を設定し、問題点のヒアリングなどを行い、理解を深めていきます。集まった情報をベースに、問題点に関して仮説を持ち、Opportunityを模索、RiskMitigationを考え、戦略を構築してくというプロセスを繰り返し、徐々に我々の提案内容を固めていきます。

 Non-disclosure agreementを結んでいるため、あまり詳細に渡ってご報告できませんが、徐々に以下の問題点が見えてきました。

チャネルの問題:

付加価値を生まない単なる”Box Mover”としてのDistributor
Distributorにとって、DuPontの商品を積極的に販売するインセンティブの欠如
DistributorSales Forceへの教育体制が不十分

プライシングの問題
製品のリストプライスが高すぎる (ディストリビューターからの値下げ要求を毎回飲んでおり、リストプライスが意味をなしていない。)

DuPont内部の問題
・R&DMarketingのコミュニケーション不足
Product Life Cycle上の管理ミス (1000を超える製品群を管理するにあたり、取引量の少ない製品をEOLするタイミングやスキームの決定が困難)
ディストリビューターを管理統制する機能が弱い

2月下旬のAcademy WeekChicagoB2B企業数社を
訪問した際に、ディストリビューターとの関係をヒアリングを行い、彼らも似たような課題を抱えていることが分かり、このTripで得たinsightはプロジェクトを進める上で大きな助けとなりました。

2月のAcademy TripではChicagoのB2B企業数社を訪問
Industrial Supply大手のWW Grainger本社にて

3月初旬に中間報告という形で今までの調査に基づく提案内容をプレゼンしました。クライアント側も我々の提案内容を概ね好意的に捉えてくれ、方向性がほぼ固まったところでさらにリサーチや資料の作成を続けていきました。 

4月中旬になり、クライアントをDuPontの本社があるDelawareWilmingtonからKelleyに招き、最終報告を行いました。最終報告の前夜には、クライアントの方にディナーをご馳走してもらい、その後チームメイトと再び学校に戻りプレゼンの最終リハーサルを行うなど直前は非常に慌しかったですが、プレゼン終了後クライアントに我々の報告を高評価していただき、労いの言葉をいただいた時は今までの苦労が全て報われた気がしました。

練習を重ねただけあって、自分の担当パートのプレゼンはほぼ完璧にこなせたと思うのですが、Q&Aの部分がうまくさばけずチームメイトからの助けを借りてなんとか回答できた状態でしたのでそこは反省したいと思います。プレゼンの途中で急な質問をされても冷静に相手の質問の意図を汲み取り、なるべくシンプルな英語で回答するにはもう少し訓練が必要だと思いました。


Takeaways
B2Bの世界は非常に深く、今回は化学メーカーのマニアックな世界にどっぷりと漬かることができました。コンサルタントの視点でクライアント企業の経営課題を客観的に捉えることで、彼らが抱えている経営課題 (組織体、販売チャネル、プライシング、プロダクトライフサイクル管理など) は、本質的には私の派遣先企業のビジネスユニットが抱えている問題とも重なる、と発見できたのは興味深かったです。

また、今回のプロジェクトはビジネススクールの仲間達と取り組みましたが、もし自分がリーダーとしてプロジェクトを引っ張る立場になったら?、もし海外現法で多国籍なメンバーと仕事を進めることになったら?と仮定し、そのような状況下で仕事をどのように進めていけばよいのかを疑似体験できたことは1番の収穫だったと思います。


最終報告を終えた後チームメンバーとの1枚

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